IN/OUT (2014.7.27)

自宅PC用のキーボードが不調になり、買い換えることにしました。これまで、プライベートでは頑なに英語配列のキーボードを使ってきたのですが、海外で買い溜めしていたストックも切れ、ついに日本語配列のものに日和ることに…。「英数」だの「カタカナ」だの、全く押す機会が無いキーが沢山ある一方で、「Caps Lock」がそのままでは効かないなど、どうにも不満が多いのですが、まあ、そこは、サイト-企画さんの「秀Caps」のおかげで、大分、解消。


in最近のIN

『「アート・スコープ 2012-2014」- 旅の後もしくは痕』14.7.21

原美術館原美術館で開催中の展覧会に行ってきた。日本とドイツで、互いに現代美術のアーティストを派遣・招聘し合って、異文化での生活を体験しながら交流を図るという、ダイムラー・ファウンデーション・ジャパンが主催する文化活動「アート・スコープ」の最新の成果を展示するものである。原美術館は、この活動のパートナーを務めており、二年前には「アート・スコープ 2009-2011 インヴィジブル・メモリーズ」と題した展覧会が開かれていた。今回出展しているのは、2012年にドイツから招聘したRita HensenとBenedikt Partenheimer、2013年に日本から派遣した今村遼佑と大野智史(一瞬、見間違えそうだが『嵐』に非ず)の四人。

ドイツから来た二人の作品が、日本人にとっては興味深い。Benedikt Partenheimerの自動販売機の写真(欧米には数少ない、まさに日本的と言える自動販売機を、日本人が撮るのとはちょっと違うアングルや色使いで見せる作品群)、Rita Hensenの「東京の外」と題された写真(東京都心では無く、郊外で撮られた、これも日本人の視線には引っかかりにくそうな風景の写真。その中に、ドイツで撮られた風景もこっそり紛れ込ませてある)は、日本を題材にしながら、何か違う感性が混じっているようだ。

「真夜中の8月通りで」今村遼佑日本人の作品では、今村遼佑の物が面白かった。ドイツ風の街灯の中に、さらにミニチュアの電信柱と街灯を仕込んだ作品や、かすかな音を発するテーブル、コップに注がれた炭酸水を淡々と映した映像など、視覚と聴覚を研ぎ澄ませることを強いる繊細な映像作品とインスタレーション。あまりにも現代美術っぽいという感じが強すぎるような気もするが、印象的だ。

全体的には小ぶりな美術展で、割にすぐに見終わってしまう感はあるが、カフェの新しいメニュー、ラムとナッツのカレーがとても美味しかったので、総合点で満足なのである。


"Godzilla"14.7.25

ハリウッド版「ゴジラ」を観てきた。

1998年にRoland Emmerichが監督したバージョンは、東宝ゴジラを完全に否定した設定で、日本のみならず、世界中のゴジラ・ファンから総スカンを喰らった訳だが、今回のGareth Edwards監督版の評価は高い。

果たして、期待に違わぬ、見事な作品だった。予告編を観た限りでは、初代ゴジラのように、ゴジラ単独で人類社会に脅威を与えるような作品かと思っていたのだが、どうしてどうして、ちゃんと敵役の怪獣が登場して、ゴジラとバトルを繰り広げる、まっとうな「怪獣映画」になっていて、嬉しい驚きだ。

東宝ゴジラとの一番の違いは、その圧倒的な、神格化さえ感じる存在感だ。この作品に登場するゴジラの行動原理は、あくまでも敵役怪獣とのバトルである。彼の視界には、まわりで右往左往する人類など入っていない。人間がいくら怪獣退治の戦略を立案・実行しても、そんな物は端から無視。人類がコントロールすることも、コミュニケーションを取ることも全く不可能な存在なのだ。この割り切りが凄い。思い返せば、初代ゴジラは、人類のコントロールも理解も及ばない存在(核兵器のメタファーでもある)による圧倒的な破壊を描いていたのに、その後のゴジラ・シリーズでは、人類が対等に戦おうとしてみたり、ゴジラを擬人化して見せたりと、堕落の道を辿ったのである。今回、見事にオリジナルの精神に立ち返ったゴジラを製作したのが、ハリウッドというのは、皮肉なものだ。

監督のGareth Edwardsは、これが長編二作目。第一作の"Monsters"を観たときは、その才能に感心しつつも、ゴジラのような「超大作」の監督に起用して大丈夫かという不安があったのだが、それは杞憂。低予算の"Monsters"で目立っていた、疑似ドキュメンタリー的な雰囲気が、大作"Godzilla"でも良い効果を上げている。ギリギリまで怪獣の姿を見せずに映画を引っ張り、ラストのゴジラの咆哮で一気に観客にカタルシスを与える演出は、大正解だ。

渡辺謙演じる主人公の名前が「芹沢猪四郎」という設定や、着ぐるみこそ使わないものの、ゴジラの動きは人間が演じた物をモーション・キャプチャーしたというところにも、オリジナルへのリスペクトが感じられる(因みに、ゴジラを「演じた」Andy Serkisは、Peter Jackson版の"King Kong"でKongを、さらに"The Lord of the Rings"でGollumを演じている)。伊福部昭の音楽の、あの印象的なフレーズの一部だけでも使って欲しかったとか、宝田明のカメオ出演シーンをカットしないでほしかったとか、不満もあるが、昨年の"Pacific Rim"に引き続き、毎年、夏にハリウッド製怪獣映画を観られるとは、20世紀には予想も出来なかったことだな。



これまで使っていたのは、赤軸のメカニカル・スイッチの物だったのが、新キーボードはメンブレン式なので、打鍵感は非常に物足りない。ただし、エルゴノミクス配列にしたので、肩こり防止用には、新キーボードの方が良いかな。